基準としての最低生活費
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とは言え、実際に支給を受けるわけでもないのに、生活保護に関心を持つのってなかなか難しいです。
人生のマネープランの中にも生活保護は出てきませんし、できれば生活保護を受けずに暮らしていきたい。むしろ考えたくもないというのが本音なのかもしれません。
ところが、生活保護の基準となる『最低生活費』は、どんな人の暮らしにも関係してくる重要な基準になっていることを知りました。
たとえば、国民健康保険料の減免基準、介護保険の保険料・利用料の減額、地方税の非課税基準、公立高校の授業料免除基準など、生活に密着した分野で、さまざまな減免の基準になっています。
『最低生活費』が下がると、生活保護を受けている人たちの支給額が減るだけでなく、収入の少ない人が受けてきた免除が減り、実質的な負担が増えます。その結果、生活が立ち行かなくなれば、「労働力」や「消費者」としての社会参加が難しくなります。
結果として、”普通”の生活を送る人の負担が増えることにもつながっていきます。近年の『二極化』の議論とも重なってくるかもしれません。
この『最低生活費』の額を決めているのは、厚生労働省です。同省が主張する、
今後ますます少子高齢化が進む⇒社会保障費が増え、税収が減る⇒税収を増やし、社会保障費を抑えなければならない
という流れには、何となく説得力があり、つい思考停止になってしまいがちです。
そして実際に、現在「『最低生活費』の見直し(=低下)」の議論が行われており、その主張の根拠として、「非正規雇用などの低所得者の賃金の減少」が挙げられています。
しかし、(社会保障費を下げたい)⇒低所得者の賃金が減っているから、最低生活費(=生活保護の支給額)を下げる⇒最低生活費を基準とする各種の免除の基準額が下がり、免除を受けづらくなる⇒低所得者の負担が増え、生活がますます厳しくなる⇒個人への生活保護の支給額は減っても、生活保護に頼らざるを得ない人が増える⇒(社会保障費は下がる?)という疑問もあります。
一方で、そもそも低所得者の賃金が減っている原因は別のところにあるので、それを変えない限り、上記の悪循環は続いていくことになります。
では、どうすれば良いのでしょう。特に、1個人にできることなどあるのでしょうか。少しずつ情報を集め、もう少し広い視野を持って、自分なりに考えたことを発信していこうと思っています。
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